
行政書士 香椎綜合法務事務所
行政処分に適正手続きで向き合い
権利利益を守る行政手続きの専門家
売掛金の回収・取り立てによる風営法違反と行政処分
ホストクラブの営業停止・許可取消しに対応
ホストクラブなどの接待飲食営業において、売掛金や立替金の回収方法が問題となり、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)違反や行政処分につながるケースがあります。
特に、売掛金の支払いを迫るために客を威迫する行為や、売春・性風俗店での勤務などによって金銭を得るよう要求する行為は、改正風営法によって明確に禁止されています。
売掛金が存在すること自体が直ちに風営法違反になるわけではありません。
しかし、その回収方法や営業との関連性によっては、従業員個人の刑事責任だけでなく、店舗の営業者に対する指示処分、営業停止命令、風俗営業許可の取消しなどの重大な行政処分につながる可能性があります。
行政書士 香椎綜合法務事務所では、ホストクラブをはじめとする接待飲食営業に関する風営法上の行政処分について、法令や処分基準に基づいた検討と対応を行っています。
福岡県内はもちろん、九州各県の風営法行政処分に関するご相談にも対応しています。
※初回の電話相談は無料です。
売掛金の回収と風営法の関係
ホストクラブなどでは、客が飲食料金をその場で支払わず、後日支払う「売掛金」や、従業員が客に代わって店舗に料金を支払う「立替金」といった形で債務が発生することがあります。
これらの債務について、支払いを求めること自体が直ちに風営法違反となるわけではありません。
しかし、客に料金を支払わせる目的で威迫して困惑させたり、売掛金の返済のために売春や性風俗店での勤務などを要求したりする行為は、風営法上の禁止行為に該当する可能性があります。
重要なのは、債務の名目だけではなく、実際の金銭の流れ、回収方法、従業員の言動、営業との関係などを総合的に確認することです。
改正風営法で禁止された売掛金の回収行為
令和7年法律第45号による風営法改正では、接待飲食営業を営む者の禁止行為として、風営法第22条の2が新設されました。
この規定は、令和7年6月28日に施行されています。
(1)料金の支払いをさせる目的で客を威迫する行為
風営法第22条の2第1号では、客に注文や料金の支払い等をさせる目的で、客を威迫して困惑させる行為が禁止されています。
例えば、次のような行為が問題となる可能性があります。
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売掛金を支払わせるために大声で怒鳴る
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強い口調や威圧的な態度で支払いを迫る
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客が恐怖や不安を感じるような言動を繰り返す
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支払いを拒否した客に対して威圧的な取り立てを行う
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客が精神的に自由な判断をできない状態に追い込む
警察庁の解釈運用基準では、「威迫」とは、人を畏怖させるまでには至らなくても、言語・動作・態度によって気勢を示し、相手に不安や困惑の念を生じさせる行為とされています。
例えば、料金を支払わせるために声を荒げる行為も、その具体的な状況によっては該当する可能性があります。
必ずしも暴行や脅迫に至る必要はありません。
(2)売春や違法行為によって金銭を得るよう要求する行為
風営法第22条の2第2号では、客に対し、威迫または誘惑して、料金の支払い等のために一定の行為によって金銭その他の財産を得ることを要求する行為が禁止されています。
対象となる行為には、次のものがあります。
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売春防止法その他の法令に違反する行為
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対価を受けて不特定の相手と性交類似行為等をすること
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店舗型性風俗特殊営業や一定の無店舗型性風俗特殊営業において、異性の客に接触する役務を提供する業務に従事すること
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性行為映像制作物への出演
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外国において売春をすること
例えば、次のような言動が問題となる可能性があります。
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「売掛金を返済するために風俗店で働いてほしい」
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「ソープランドで働けば借金を返せる」
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「売春をして売掛金を返済してほしい」
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「AVに出演してお金を作ってほしい」
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「風俗で働いてくれたら借金を帳消しにする」
この規定では、威迫だけでなく「誘惑」による要求も禁止されています。
警察庁の解釈運用基準では、甘い言葉によって相手を動かし、適正な判断を誤らせるような働きかけも「誘惑」に該当し得るとされています。
したがって、暴力や脅迫を伴わない場合であっても、売掛金の支払い等を目的として、恋愛感情や将来の結婚などを利用し、性風俗店での勤務を要求するような行為は規制対象となり得ます。
売掛金だけでなく立替金や個人間の債務も規制対象となる
改正風営法の重要なポイントは、規制対象が店舗の帳簿上の売掛金だけに限定されていないことです。
警察庁の解釈運用基準では、風営法第22条の2第1号にいう料金の支払等について、次のようなものが例示されています。
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売掛金やツケ払いなどの事後払い
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従業員が客に代わって店舗に料金を支払った場合の立替金
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従業員から客への貸付金
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店舗への料金支払いに充てるための借入金
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一定の条件に該当する前払い金や預託金
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違約金などの名目による金銭
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接客従業員に対する贈与、いわゆる「おひねり」
そのため、売掛金を廃止したり、立替金や個人間の貸し借りという形式に変更したりすれば、当然に風営法の規制を免れるというものではありません。
実際の金銭の流れや債務の発生原因、店舗の営業活動との関係が重要になります。
売掛金の回収行為による行政処分
売掛金の回収をめぐる違法行為は、従業員個人の問題だけで終わるとは限りません。
風営法第25条及び第26条では、営業者やその代理人等が営業に関して法令違反をした場合などに、公安委員会が行政処分を行うことができる旨を定めています。
主な行政処分は次のとおりです。
(1)指示処分
風営法第25条に基づき、公安委員会が営業者に対して、法令違反行為を防止するために必要な指示を行う処分です。
違反行為の内容や程度に応じて、営業管理体制の改善や従業員への指導などが求められる場合があります。
(2)営業停止命令
風営法第26条に基づき、公安委員会が風俗営業の全部または一部について、期間を定めて営業停止を命じる処分です。
営業停止期間は最長6か月です。
営業停止となれば、店舗の売上だけでなく、従業員の雇用や店舗運営全体にも重大な影響が生じます。
(3)風俗営業許可の取消し
違反行為の内容や程度、処分基準への該当状況などによっては、風俗営業の許可が取り消されることもあります。
許可取消しは、店舗の営業継続そのものを困難にする重大な処分です。
特に、売掛金の回収をめぐって売春等をさせる行為や、暴行などの重大な違法行為が発生した場合には、過去の行政処分事例も踏まえた慎重な対応が必要です。
なお、どの処分が選択されるかは、違反行為の内容、悪質性、反復性、営業との関連性、過去の処分歴などによって異なります。
実際に発生した売掛金回収に関する行政処分事例
売掛金の回収をめぐる問題については、実際に風俗営業許可の取消しや営業停止命令が行われた事例があります。
警察庁が公表している行政処分事例を紹介します。
事例1:売掛金の返済名目で女性客に売春をさせた事案
令和6年5月、東京都公安委員会は、ホストクラブの営業者に対して風俗営業許可の取消しを行いました。
この事案では、元ホストが売掛金の返済名目で女性客に現金を要求し、スカウトを介してソープランドに紹介し、売春をさせていました。
元ホストらは売春防止法違反や職業安定法違反等で検挙されています。
その違法行為がホストクラブの営業に関して行われていたことから、店舗の営業者に対して許可取消しが行われました。
事例2:売掛金回収時に女性客へ暴行を加えた事案
令和6年10月、東京都公安委員会は、ホストクラブの営業者に対して106日間の営業停止命令を行いました。
この事案では、ホストが売掛金を回収する際、女性客の顔面を殴打する暴行を加え、傷害罪などで検挙されました。
暴行行為がホストクラブの営業に関して行われていたことから、店舗の営業者に対して営業停止命令が行われています。
これらの事例は、従業員個人の違法行為であっても、その行為が店舗の営業に関して行われた場合には、営業者に対する重大な行政処分につながり得ることを示しています。
従業員の違反行為と店舗営業者の責任
売掛金の回収をめぐる問題では、実際に取り立てを行った従業員だけでなく、店舗の営業者や管理者の関与・認識・管理体制なども問題となります。
例えば、次のような事情は、行政処分を検討するうえで重要な要素となり得ます。
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店舗が売掛金の回収方法を指示していたか
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経営者や店長が違法な取り立てを認識していたか
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従業員による違法行為を容認していたか
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店舗の売上確保や営業活動と違法行為が関連していたか
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違法行為を防止するための管理体制が整備されていたか
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過去にも同様の問題が発生していたか
もっとも、従業員による違法行為が発生したからといって、常に営業者へ同じ行政処分が行われるわけではありません。
営業に関する行為といえるか、法令上の処分要件を満たすか、具体的な証拠が存在するかなどを個別に検討する必要があります。
行政処分を受けた場合の対応
売掛金の回収に関する問題で、警察から事情聴取や立入検査を受けたり、公安委員会から行政処分に関する通知を受けたりした場合には、早い段階で事実関係と法的根拠を確認することが重要です。
行政処分への対応では、次のような事項を検討します。
(1)違反事実の確認
処分の対象となっている行為について、いつ、誰が、どのような行為を行ったのかを確認します。
また、客との金銭のやり取り、売掛金や立替金の発生原因、従業員のメッセージ、店舗の指示や管理体制などについても整理します。
(2)法的根拠と処分要件の確認
公安委員会が予定している行政処分について、根拠となる法令や処分基準を確認します。
特に、問題となっている行為が風営法上の禁止行為に該当するか、店舗の営業に関して行われたといえるか、行政処分の要件を満たしているかなどを検討します。
(3)聴聞・弁明の機会への対応
営業停止命令や許可取消しなど、重大な不利益処分が予定されている場合には、処分の内容に応じて行政手続法上の聴聞または弁明の機会の付与が問題となります。
聴聞や弁明の機会では、処分庁が認定しようとしている事実や法的評価を確認し、事実関係や法的根拠に問題がある場合には、反論や資料の提出を検討します。
(4)処分内容の妥当性の検討
仮に何らかの違反行為が認められる場合であっても、予定されている処分が法令や処分基準に照らして適切かどうかは別途検討する必要があります。
違反行為の程度、営業者の関与、再発防止策、過去の処分歴、他の事案との均衡などを確認し、処分の内容や量定について検討します。
(5)審査請求等の検討
行政処分が行われた後であっても、処分の内容や手続に法的な問題がある場合には、行政不服審査法に基づく審査請求等を検討することができます。
処分の根拠となった事実認定、法令の解釈、処分基準の適用、手続上の問題などを整理し、必要に応じて対応方針を検討します。
当事務所の風営法行政処分サポート
行政書士 香椎綜合法務事務所では、風営法に関する行政処分について、法令や行政機関の処分基準を踏まえた対応を行っています。
売掛金の回収に関する問題についても、具体的な事実関係を確認し、行政処分の根拠や手続、処分内容の妥当性などを検討します。
主な対応内容は次のとおりです。
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風営法違反に関する行政処分の法的検討
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行政機関からの通知・処分理由の確認
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事実関係や証拠資料の整理
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聴聞に向けた主張・資料の整理
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弁明の機会に向けた弁明書等の作成
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行政処分に関する審査請求書等の作成
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行政処分に関する事前相談・継続的な法令遵守支援
行政処分は、店舗の営業継続や経営に重大な影響を及ぼすことがあります。
処分通知を受けてから対応するだけでなく、警察からの事情聴取や立入検査など、行政処分に発展する可能性のある段階から状況を整理することが重要です。
対応地域
当事務所では、福岡県を中心に、九州全域の風営法行政処分に関するご相談に対応しています。
主な対応地域は次のとおりです。
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福岡県(福岡市・中洲・北九州市・小倉・久留米など)
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佐賀県
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長崎県
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熊本県
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大分県
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宮崎県
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鹿児島県
審査請求に関する書類作成など、遠方からでも対応可能な業務があります。
聴聞等への出席や現地対応が必要となる場合は、場所や手続に応じて対応方法をご案内します。
売掛金の回収に関する行政処分でお困りの方へ
売掛金や立替金の回収をめぐる問題は、店舗の営業継続に関わる重大な問題となる場合があります。
「従業員の取り立て行為について警察から連絡があった」
「売掛金の回収方法について行政指導を受けた」
「営業停止命令や許可取消しが予定されている」
「聴聞の通知が届いた」
「行政処分の内容に納得できない」
このような場合には、まず具体的な事実関係と行政処分の根拠を確認することが重要です。
行政書士 香椎綜合法務事務所では、風営法上の行政処分について、適正な行政手続に基づく対応を支援しています。
行政処分に関するお悩みは、一人で抱え込まず、当事務所までご相談ください。
行政書士 香椎綜合法務事務所
特定行政書士 樋口 真
※初回の電話相談は無料です。
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