風営法改正
- 行政書士 香椎綜合法務ブログ
- 2月24日
- 読了時間: 6分
令和7年度中に改正し施行が予定されている風営法改正です。
主な改正案の内容は
①社交飲食店に対する色恋営業及び売掛金の規制
②性風俗スカウトに対するスカウトバック(紹介料など)を支払うお店に対する規制
③無許可営業の罰則強化
④同一名義で許可等を取得している場合の不利益処分適用範囲の拡充
⑤処分逃れ対策の整備
となっています。
以下、詳細と私個人の意見を書いていきたいと思います。
①社交飲食店に対する色恋営業の規制について
所謂、「色恋営業」という客の下心を利用し金品などを引っ張る営業手法に関し、営業停止処分などの行政処分を課すことを風営法改正案としています。
夜職経験のある私の個人的な意見として、「色恋営業」のほどんどが、客側が求めてきた場合にキャスト側が応じているだけであり、キャスト側から敢えて「色恋営業」をしかける事って少数であるのが私の認識です。
それは、わざわざ、客と面倒な関係になる割には比較的長い期間お店に引っ張れないし、リスクを伴う「色恋」をキャスト自ら行うことは自らの首を絞める行為だと考えられるからです。
もちろん、「色恋」が得意な営業手法であるキャストがいる事を否定している訳ではありません。
また、法律の実務面からして「色恋営業があった」事実を、どのような証拠により事実認定していくのか?という問題です。
例えば、色恋「営業」でなく「本気」で客の事が好きだった場合は、どのようにするのでしょうか?
まさか、立憲主義である日本で自由恋愛を規制する事は、ありえないと信じてます。
そして、客側のキャストと真実の恋愛関係にならなかった事などを理由に嫌がらせや怨恨などの不当な目的で、警察などに情報提供し、「色恋営業」があったことを認定するなどして営業停止処分となってしまうのも、如何なものでしょうか?
私個人としては、営業の自由に対する不当な制約となるのでは?と考えております。
①社交飲食店に対する売掛金規制
過大な額の売掛を禁止する事を内容とする風営法改正です。
そして、売掛金といえば主に、ホストクラブが対象となるのかと思います。
しかし、個人的な意見としては、世の中の多くの商取引では買掛や売掛での取引は多く行われています。
だけど、ホストクラブ等の社交飲食店に「だけ」売掛金規制を行うのは、、、
規制の目的や背景として売掛金の支払いの為に性風俗で働く又は働かされたことがあると認識していますが、それは消費者金融でお金を借りて返済の為に性風俗で働く等の性風俗で働く事情は様々あるのが現状です。
ホストで売掛したことで「性風俗で働く」ことになるから等の安易な理由で商取引の一環である「売掛」を特定の業種「だけ」規制するのは、「性風俗で働く」様々な事情を規制していかないといけなくなる可能性を孕んでいる危険な思考による法規制だと感じます。
②性風俗スカウトに対するスカウトバック(紹介料など)を支払うお店に対する規制
性風俗スカウト自体に対する規制として
1「路上でスカウト行為」→各都道府県迷惑防止条例違反
2「性風俗店に紹介する行為」→職業安定法違反
として以前から摘発されていました。
しかし、性風俗スカウトに対して紹介料などを払う性風俗店側に対して規制が無かったことから、風営法改正で盛り込むことになりました。
これに関して個人的な意見としては、やむを得ない規制かなって思います。
性風俗求人広告などを利用し、自由意思の下で性風俗店に就職活動をするのが本来の健全な手段だと思います。
また、性風俗スカウトの多くが沢山紹介料など得たいなどの利己主義で活動している事が多く、騙し討ち的に一般女性を欺罔又は困惑させ性風俗店に紹介するなど、到底自由意思の下で性風俗店での就職活動をしているとは思えないのが現状です。
なお、紹介料などを支払った性風俗店側の罰則としては
1 6か月以下の拘禁刑
2 100万円以下の罰金
を予定しているみたいです。
③無許可営業の罰則強化
現状は社交飲食などの無許可営業の罰則は
1 2年以下の拘禁刑
2 200万円以下の罰金
となっております。
それを
1 5年以下の拘禁刑
2 1000万円以下の罰金
3 法人の場合は3億円以下の罰金(両罰規定)
に風営法を改正する内容を盛り込んでいます。
これに関しても個人的な意見として、その営業をしたいなら、その許可を取ればいいじゃん!って思いますし、真面目に許可を取って営業しているお店が殆どです。
また、現状の罰則は軽すぎるという認識があったので罰則強化は、良いのではないかと思います。
この罰則強化で特に注意しないといけないのが深夜酒類提供飲食店(主にガールズバー・ボーイズバー・コンカフェなど)で接待をしているお店です。
接待をするには、社交飲食店(風営法第2条第1項第1号)の許可が必要な行為となります。
つまり、社交飲食店の許可を取得してなく接待をすることは、無許可営業として上記罰則の対象となります。
④同一名義で許可等を取得している場合の不利益処分適用範囲の拡充
現状は、A名義で許可を取得している甲店舗と乙店舗があり甲店舗が違反をしたら、甲店舗だけが営業停止などの処分を受けていました。
それを、乙店舗にも営業停止などの処分の適用を受けるように処分の適用範囲の拡張を風営法改正に盛り込んだ内容となります。
個人の意見として、風営法の仕組みとして人的単位・営業所単位で許可をしており違反をした一つの店舗以外の同一名義の他の店舗も処分の効力が及ぶのは、人的単位を強調している内容であり現状の営業所単位の処分適用範囲からの変更として風営法の仕組みを変えるのか興味深い内容としております。
ただ、この改正内容に関しては予め準備ができる内容なので大した事では無いのかなって思っています。
⑤処分逃れ対策の整備
現状の風営法では、
取消処分が予定されている処分で聴聞の告示がなされる前に許可証を返納をする事で取消処分を受ける事がありません。
つまり、許可の人的要件である「取消処分を受けたときから5年が経過しない者」の適用がなくなるので、再度許可申請が上記期間を経過しなくても行う事が事実上できました。
その処分逃れを回避する内容を風営法改正の内容に盛り込まれています。
これに関して個人的な意見をしては、今までそれを放置していたのが逆に謎です。
風営法違反などの違反事実があり、それを証拠により認定ができるのであれば、しっかりと処分を行い風俗環境から排除するのが筋です。
そうでないと、善良な風俗環境の保持や健全・適正に営業している他の風俗事業者に迷惑です。
以上、ざっくりとした内容ですが、いかがでしたか?
なお、この風営法改正は春の国会に提出し、成立する見込みとなっています。
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